『レイヤー化する世界』「個人でも大企業に勝てる時代が来た!?」
こんにちは、タイチです。
今回はホリエモンも推薦していたレイヤー化する世界の書評です。
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世界はこれまでに2回の産業革命を経験しました。
1回目は18世紀終わりに、鉄道や蒸気機関車が発明され、長い距離でも短い時間で移動できるようになったことです。このとき、主導権を握っていたのはイギリスです。
イギリスは当時の植民地であったアメリカやインドから綿花や砂糖、タバコ、などを輸入し、
酒や綿織物、金属製品などを輸出して大儲けしました。
2回目の産業革命では、人々の生活はより豊かになりました。
自動車、飛行機、テレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機など普段の生活を支えてくれる物がどんどん発明されていきました。
この時代になると、物の生産のしかたも「大量生産」へと変わっていきました。
機械や工場の導入でどんどん物が生産されるようになっていきました。
しかし、ここで問題が出てきます。
物は生産されてもそれを売る先がもはや国内には見つからないのです。
そこで考えたのが、他国の植民地化です。植民地にしてしまえば、そこでの資源を使って、
さらにその国に売ることができます。これを最初にしたのはヨーロッパの国々です。
ヨーロッパの国々はアジアやアフリカを植民地化し、「帝国主義」を築き上げました。
ここに「ウチ」と「ソト」の構図が生まれてきます。
ウチに属している先進国はソトの発展途上国を利用してどんどん豊かになっていく一方で、
ソトの国々はウチに富を搾取され、格差は拡がっていきました。
ついにはアメリカや日本もウチに参加していくことになりました。
しかしこの「ウチ」と「ソト」の構図も第3の産業革命によって終焉にさしかかっています。
第3の産業革命とはIT革命のことです。
インターネットが普及した今、もはや情報は無料で手に入れることができ、さらには個人による発信も簡単にできるようになりました。一見いいことだらけのようにも思えますが、経済の成長が懸念されています。
なぜなら、これまではお金を払うことで得られていた商品が無料となってしまったからです。
またさらに、インターネットはかつてのような大勢の労働者を必要としません。
たとえば、APPLEの売り上げは13兆円以上ですが、従業員の数は世界でも7万人くらいで、そのうちアメリカ国内で働いている人の数は5万人程度です。
世界で10億人以上のユーザーを抱えるFacebookも従業員は5千人程度です。
しかしこれはチャンスでもあります。
なぜなら、インターネットの普及により「ウチ」と「ソト」の構図が崩れ、起業だけでなく
個人単位でも事業に参入していけるようになったからです。
いわば、世界がフラットな状態になったということができます。
たとえば音楽業界を見てみましょう。
これまではレコード会社が大きな力を持っていました。
アーティストは事務所に所属し、プロデューサーやディレクターのパイプを通して作曲した音楽をCDショップに置いてもらうという流れになっていました。しかし、今では誰でもがインターネット上に音楽をアップし、販売することができます。ときには国を超えて世界的に大ヒットなんてこともあります。
(PPAPはホントにすごかったですね。)
音楽業界のほかにも、最近ではクラウドソーシングも話題になっています。
このようにこれからの世界は「ウチ」と「ソト」ではなく、レイヤー化していくと著者の佐々木さんは言っています。ここで言うレイヤーとは層のことです。
縦に分断するのではなく、テクノロジーが作る<場>がまずあり、その上にいくつもの層(レイヤー)が重なっているイメージです。
これまでは会社員としての肩書しかなかった人が、レイヤー化する世界では
①ギターが弾ける人、②英語が話せる人、③株をしている人、④写真が好きな人、、、のように、
その人を作っている全てのレイヤーで情報発信ができ、個人でも大企業や世界と戦える時代になります。
目次(全278ページ)
プロローグ 現代―第三の産業革命が起きている―
第一部 中世―多くの民族がともに栄えた帝国の時代―
第一章 かつてヨーロッパは辺境の地だった
第二章 なぜ中世の帝国は滅んだのか
第二部 近代-私たちが「国民」になった時代
第三章 「国民」は幻想からやってきた
第四章 「民主主義」という栄光
第五章 崩壊していく民主主義と国民国家
第三部 未来―<場>の上でレイヤー化していく世界―
第六章 すべては<場>に呑み込まれる
第七章 レイヤー化する世界
第八章 「超国籍企業」が国民国家を終わらせる
第九章 新しい世界システムと私たち
あなたはいくつレイヤーを持っていますか。
是非、本書を手に取って考えていてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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