コロナウイルスの第1波以来、感染の拡大を徹底的に抑え込み、世界的にもコロナ対策の”優等生”と言われてきた台湾で、2021年5月に入り感染者が急増しました。
今、台湾では何が起こっているのか、町の様子や、政府の対策などについてまとめました。
感染者数推移
コロナが初めて確認されて以来、台湾では政府による迅速な対応と国民の団結力により、毎日の感染者数を1桁台に抑え込んできました。1桁という数字も市中感染は含まれておらず、海外からの帰国者による感染であったため、台湾はコロナを完全に抑え込んでいたということができます。
突然のクラスター
2021年5月11日、中央感染症指揮センターは宜蘭県のゲームセンターでクラスター(感染者5名)が発生したと発表しました。
そこから徐々に感染者が増加し、4日後の15日にはこれまでで過去最高の185人の感染者が確認されました。その後も拡大は収まらず、16日には207人、17日には335人と日を追うごとに感染者数が過去最高を更新するようになっています。
政府の対応
市内感染の拡大を受けて、台湾当局は感染が拡大している台北市と新北市で以下の対策を発表しました。(一部は台湾全域共通)
・映画館や美術館など娯楽施設の封鎖
・マスク着用の義務化
・集会人数の制限(屋内5人、屋外10人まで)
・感染者接触可能性確認アプリ
・学校の授業をオンラインへ移行
・飲食店は持ち帰りのみ
・入店時の個人情報記入(実連制)
また感染者は徐々に南下してきており、台湾最南端の墾丁でも確認されています。
こちらの地図では感染者が隔離されるまでに訪れた移動先が公開されています。
こちらは衛生福利部が発信しているものですが、ユーモアを交えながら自粛を促しています。
これくらいの緩さなら大歓迎ですよね。
町の様子
感染が拡大している台北ではまだロックダウンにはなっていないにも関わらず、国民一人一人が自主的に「STAY HOME」を実施している様子がうかがえます。
1枚目→台北
2枚目→台北
3枚目→高雄
4枚目→高雄台湾が世界に自粛とはどうあるべきか
世界に国と国民のコロナに対する意識を見せてくれると信じてます。母と祖母が台北に住んでいるので心配🥺
台湾加油‼️‼️‼️台湾頑張れ‼️‼️#台湾コロナ#自粛#台湾の本気#COVID19 pic.twitter.com/4CBKQL06Yz
— 大飛 (@bigfly0903) 2021年5月16日
台湾人の方から送られたんですが、今みなさん自粛中だそうです。日本ではありえない光景ですね。😬😬#台北捷運 pic.twitter.com/HdN8sL8J1y
— あまるめ (@553BXNs6fuPJS3Z) May 16, 2021
台湾すげえ。
台北ほど感染が広がっていない台中でも同じような光景が見られます。
こちらはいつも多くの人で賑わっている一中街夜市ですが、日曜日のお昼にもかかわらず、出歩いている人の数はいつもと比べてかなる少なくなっています。
また、ニュースでは食料や生活必需品の買い溜めが報道されていますが、全員が全員パニックになって買い溜めに走っているというわけではありません。
オンライン授業に移行した学生たちは、1時間ごとの行動記録を学校側に提出することが義務付けられており、その記録があまりにも面倒なため、1回の外出でできるだけ多くのものを購入しておこうといった、効率のいい買い溜めも一部含まれています。
スーパーの様子↓↓
また実連制といった対策が政府から各事業所に要請されており、客は入店時に①氏名、②連絡先、③同行する人数の提出が求められます。
渡航について
今回の第2波を受けて、台湾は新たに渡航に関する措置も講じています。
5月19日より、台湾国内で有効な居留証を持たない外国人は原則、台湾への入国が認められなくなります。台湾でのトランジットもできません。
上記は現時点で6月18日までの措置となっていますが、状況により変更する可能性もあります。
また、ワーキングホリデーの申請も現時点では不可となっています。
詳しくはこちら→台北駐日經濟文化代表處
重なる試練
台湾は現在、極度の水不足に陥っており、継続的な計画断水が行われています。
筆者の住む地域では毎週の火曜日と水曜日がこれにあたり、飲食店や各事業所の店主は頭を悩ませているようです。
コロナウイルスの最低限の感染予防対策として、こまめな手洗いうがいは欠かせません。
コロナ第2波と計画断水のダブルパンチをどう乗り越えていくのかが当面の課題になりそうです。
国民の反応
上述した通り、感染の拡大が確認された当初は、確かに一部パニックに陥っていた部分はありました。ですが台湾には、これまで完全にコロナを封じ込めていたという自信とプライドがあります。
また、政府の初動も早く、指示も明確で、且つ必要な情報を随時公開してくれているため、コロナ対策における政府への信頼度は他の国と比べると桁違いに高いと言えます。
これまで少し油断はあったものの、今回の騒動でいい感じに緊張感が高まり、一致団結してコロナに立ち向かおうという姿勢が見て取れます。
今回もきっとコロナの封じ込めに成功することでしょう。
台湾の様子についてTBSの「あさチャン!」より取材を受けました。
2:04:54秒あたりから↓↓
おわりに
状況は常に変化しています。
またそれに合わせて、政府や各自治体の対応も常に更新されているため、必ず自分自身で正しい情報を入手するようにしてください。
コロナが収束して、自由に日本と台湾を行き来できるようになる日が待ち遠しいですね。
今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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