【カギを握るのは台湾!?】台湾と5G|アメリカと中国の次世代覇権争い

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【カギを握るのは台湾!?】アメリカと中国の5G覇権争い

こんにちは、台湾在住4年目のたいちくんです。
最近ますます5Gが話題になってきましたね。
使用可能エリアはまだまだ限定的ですが、ここから5年以内には確実に拡大していき、社会全体をこれまでと全く違ったものにしてしまう技術の1つとして注目されています。

ものすごい技術ですから、世界の覇権を握ろうとしている国々(主にアメリカと中国)があの手この手で争っているわけですね。

今回はそんな5Gと台湾の関係について解説します。



そもそも5Gとは

そもそも5Gとはなんでしょうか。
「第5世代移動通信システム」のことです。
もう少し具体的にいうと、こんなことができるようになります。

・超高速化(4Gの20倍)
・超多数同時接続(4Gの10倍)
・超低遅延(4Gの10分の1)

最近では「モノのインターネット化 IoT」が言われていますね。
つまり、必然的にネットへの接続台数が増えるのです。
4Gでは容量不足だったのが5Gではこれが可能になります。

高画質の動画もサクサク見ることができるようになります。

5Gに必要な技術

ここまで読んで「めっちゃええやん」と思ったでしょう?
そうなんです。めっちゃええんです!
でもこれにはすんごい技術も必要なんです。

1.ミリ波という電波
ミリ波とは波長が1〜10mm、周波数が30〜300GHzの電波のこと。
衛星通信などに使われています。
*周波数が高くなればなるほど、データの速度は上がります。
周波数が高くなればなるほど、到達距離も短くなり、指向性(幅)も特定の方向に限定されます。そのため、ビームフォーミングという技術で通信距離を伸ばしたり、向きを変えたりします。

2.半導体
5Gをどんな媒体でで使うかといえばほとんどがスマートフォンです。
スマホがミリ波に対応していないと5Gは使えないのです。
そのために特別な半導体が必要となってきます。

半導体とはスマホの心臓部分と言われており、これがないと動きません。
あなたのスマホにも入っているはずです。

5Gを実現するために2つの技術が必要であることはわかりました。
台湾と深い関係があるのは、2つ目の半導体です。

なぜなら台湾には半導体会社 世界最大手の台積電(TSMC)があるからです。

主要国の主な半導体企業

[日本]アドバンテスト、東京エレクトロン、レザーテック

[アメリカ] クアルコム インテル

[中国] Huawei

[台湾] TSMC

これは半導体企業の株価ですが、この1年で爆上がりしていますね。

それだけ5Gへの期待が高まっているということです。

アメリカ vs. 中国

それではここで近年のアメリカと中国の動向を見てみましょう。

関税上げ合いの貿易戦争、tiktok問題、

香港の国家安全維持法、台湾関係法…….

ほとんど戦争しているようなものですね。

そして特に今回の記事と深く関係があるのはアメリカによるファーウェイ潰しです。

ファーウェイってどんな会社?


ファーウェイの本社は中国の深圳にあります。
深圳といえば、アジアのシリコンバレーと呼ばれたりなんかもしますね。

以下に簡単に深ファーウェイのポイントをまとめておきます。

・タワマン30棟 5万人の社員が暮らす社宅

・上場していない→株主に介入されたくないのが理由

・時価総額:30兆を超えると言われている(トヨタは20兆)

・スマホシェア世界2位(1位:サムスン 3位:シャオミー 4位アップル)

これだけ見てもすごい会社ですね!

アメリカ側としてはITの覇権争いに脅威を感じたと言えます。
そこで講じた策がこちらです。

1.ファーウェイの創業者の娘、副会長兼最高財務責任者の孟晩舟氏を逮捕
(マネーロンダリング、金融詐欺、アメリカ技術の輸出などが罪状として挙げられていた)2.ファーウェイへの輸出禁止措置
アメリカ以外の国からの製品にもアメリカの技術が使われてたら輸出できない。
3.ファーウェイは台湾のTSMCに半導体チップの製造を委託→台湾が出荷をストップ

これによりファーウェイは八方塞がりになってしまいました。
これがアメリカによるファーウェイ包囲網です。

もう1つのキー企業

Brass Ornate Vintage Key on Black Computer Keyboard
TSMCの他に、もう1つカギとなる会社が2016年にシャープを買収した台湾企業の鴻海です。
実は中国で作られてるiPhoneも鴻海が大部分を製造しています。
この鴻海が作ったiPhoneに対してもアメリカは追加関税をかけているので、ある意味一番の被害者といえます。

鴻海は今でこそ大きい会社ですが、鴻海の会長、郭台銘はかつて社員数10人くらいの「鴻海プラスチック」という白黒テレビのチャンネルのつまみの部分を作る下請け会社を経営していました。

このとき、お隣の中国で何が起こってたかというと、鄧小平による改革開放政策です。

簡単にいえば、「社会主義ではうまくいかんから、市場経済を取り入れようぜ」という政策です。これによって、台湾の企業は中国でも事業を行ってもいいことになりました。

ただ当時の台湾は「戒急用忍」をスローガンにして、台湾企業に自戒を求めていました。
独立志向があったのかもしれません。

そんな中、中国に飛び込んでいったのが鴻海の会長である郭台銘です。
中国側からすれば、初めてのお客さんということで最高級の待遇でもてなしたそうです。

ここから鴻海の大躍進が始まり今に至ります。

つまり、鴻海は中国と関係が深いと言えます。
さらに、郭台銘はアメリカ元大統領のトランプとも仲がいいと言われています。

そのため鴻海を救うために、郭台銘みずからが台湾の大統領になって米中戦貿易争を緩和しようとし、2020年の総統選挙に出馬しましたが、これは結局失敗におわりました。

少し内容をまとめましょう。



ここまでのまとめ

・5Gの実現には5G対応した半導体、いわばスマホの心臓部分が必要

・それを作ってるのは台湾のTSMC アメリカ寄り

・スマホ本体を作ってるのも台湾の鴻海 中国寄り?

最近はこの鴻海がアメリカの関税を回避するためにインドに会社を移して、iPhoneの組み立てを行っています。インドといえば、2020年に中国と国境付近で軍事衝突もあり、反中感情が高まってるので、アメリカ側としてはiPhoneのシェアも伸ばしてガツンといきたいところですが、国民所得の水準が低いインドではiPhoneは高すぎて苦戦しているようです。

2019年のインド国内シェアでは、1位が中国のシャオミー(28%)、2位が韓国のサムスン(21%)。Appleはわずか1%に留まっています。

おわりに


台湾では反中感情があるとはいえ、経済的にやはりチャイナマネーを無視することができないのも事実です。5GIT革命などの話を聞くとワクワクしますが、その背後には各国の政治的な力も働いており、あの手この手で次世代の覇権を握ろうとしています。

米中に挟まれた台湾がこれからどうなっていくのか。

こういった状況で日本はどう振舞うべきなのか。

とりあえず、台湾がキーということは間違いなさそうです。

今後の動向に注目です!
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